別役実フェスティバル パスポートのご案内

このところ演劇は、小説と違って、工芸品の要素が強い。つまり、携わっているものが、芸術家であるより職人であることが多いといえよう。
ただしそれは、過去よりもたらされたものを、そのまま踏襲しようとしているのではない。過去にあった無意識の要素に、新たな光を当てようとするものである。
作業そのものは、新しくはないものの、かつてあった演劇の確かな手ざわりを確かめてもらうことにはなるであろう。
その点を楽しんでいただければ幸いである。

別役戯曲の上演は、決して広範な観客動員を狙うタイプの上演ではありませんが、60年代以来、前衛演劇の橋頭保として独自の位置を占め続けてきました、これまで138作品(2013年6月時点)が毎年どこかの劇場、劇団で取り上げられています。これは別役さんの世界が、日本の現代演劇を考える上で重要な座標軸であり続けていることの証左だと思います。 来年から再来年にかけて、別役作品を取り上げる集団、劇団が、それぞれの小さな現場を細く長い一本の糸で結ぶことで、多様な視点から、われわれの芝居作りを問い直す機会を作りたいというのがこの企画の狙いです。
人材交流やシンポジウムなど、可能な交流を重ね、別役作品の豊かさ、深さを共有することが、これからの演劇を考えるきっかけになる事を願っています。